オイルコードバンのお手入れについて

馬の臀部にある、厚み2mmほどの「コードバン層」と呼ばれる部位から取り出した、肌理が細かく美しい光沢をもつ革「コードバン」。

その上品さと希少性から「革の宝石」などと呼ばれ、長く愛されてきた革でもあり、タバラットでもその素材の美しさをたくさんのお客さまが楽しんでくださっております。

オイルコードバン長財布 Tpsd-034

▼目次

■オイルコードバンの特徴

オイルコードバンはその名のとおり革にオイルをしっかりと染み込ませているコードバン。そして、当店で取り扱う姫路・新喜皮革社のオイルコードバンはグレージング加工(つや出し加工)で仕上げることで特徴的な表情と美しい光沢を持っています。

淡い色になるほど透明感と奥行きのある綺麗な色むらがみられ、個性を感じられるのも魅力のひとつです。コードバンの中でもとりわけよく色が変化し、艶を増す「エイジング」をしっかりと感じられます。

世界で数社のみが手掛けるオイルコードバンですが、当店では姫路の工場、新喜皮革社のオイルコードバンを使用しております。

(※タグについてはコードクリップなど小物には付属いたしません)

■オイルコードバンのお手入れについて

オイルコードバン美しくは強度の強い革でもありますが、顔料で染めたタイプと違い、水や汗に弱く、傷がつきやすい素材でもあります。コードバンの本来の美しさや変化を大事にし、タバラットでは顔料染めではなくこの素材を選択しております。

オイルを多く含む革ですので使用とともに艶をましていきます。そのため、特に初期においてはクリーム等のメンテナンスは不要で、基本は汚れなどを滑らかな布でお手入れする程度にとどめてください。

①水分について

水分を吸収するとグレージングによって抑えられていた繊維が立ち上がり、その部分が水ぶくれのようになります。これは一度起きてしまうともとに戻りません。(ただ、下の写真の程度のものですと数日たてば写真よりも目立ちにくくなります。)

水に濡れた場合は乾いた布で拭き取って、日陰で乾かすようにしてください。ドライヤー等の使用は厳禁です。

②傷について

光沢が強く表面が滑らかなコードバンは傷がつきやすく、目立ちやすい素材でもあります。使い始めは傷が気になる場合もありますが、使用とともに馴染んでまいりますので長くお付き合いをいただく中でその変化をお楽しみください。鍵など鋭利なものと同じスペースに保管することなどはお控えください。

③くもりについて

オイルコードバンにおいて、表面が白っぽくなる「くもり」と呼ばれる症状。油分が表面に浮いてあらわれてるとされていて、時間の経過とともに油分が表面からぬけて、艶が戻るともいわれます。油分の多いクリームなどを多用すると起きやすくもなります。

■表面のザラつきについて

素材を折り曲げた部分が初期からザラついている場合がございます。湾曲部は革に負荷がかかりやすく、繊維が伸びることで小さな皺ができ、そこがザラつくのですが、オイルがしっかりと染み込んだ革ですので使用とともにここも馴染み、艶やかに変化します。初期は気になるかとは存じますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

■お手入れ用のクリームやワックスについて

顔料仕上げで表面をコーティングしていないオイルコードバンは、水分・油分を吸収しやすい素材です。水分と油分で構成される乳化クリームなどはくもりや水ぶくれの原因になりやすいといわれます。

お手入れについてはオイルコードバン専用クリームか、蜜蝋系のワックスを使用ください。ただしこれらも使いすぎればくもりの要因ともなりますのでそれぞれの取り扱い説明をなどを確認の上、適切にご使用ください。

■補足

タバラットのコードバンシリーズはこれまで水染のコードバンを使用してきました。素材の選定のなかでその表情の美しさと色の豊富さから新喜皮革社製オイルコードバンへ移行しております。一部商品はカラーによって水染コードバンとオイルコードバンが混在している場合もございます。詳細は商品説明などをご確認ください。

■最後に

オイルコードバンは他の革と、そして顔料染めのコードバンと一線を画す惚れ惚れするような美しさが魅力です。少し扱いに気を遣う部分もございますが、長く使うなかでその美しい表情の変遷に心を奪われもします。

水や傷と上手に付き合いながら、長くご愛用をいただけましたら幸いでございます。

タバラット公式サイト
https://www.tavarat.jp/

タバラット コードバンシリーズ
https://www.tavarat.jp/c/leather/cordovan