Makuakeに挑戦。キャッシュレス時代の新財布、Receca(レシカ)の開発秘話。

前回記事でご紹介しました、クラウドファンディングへ挑戦中のキャッシュレス時代の新財布、Receca(レシカ)。おかげさまで1月26日10時時点にて、75名の方のご支援を頂いております。 

 さて、そのRececa(レシカ)について、前回は「なぜ作ったか?」について書いてみましたが、今日は開発にあたって苦労したことや、この財布を作るにあたってこだわったことを書いていきたいと思います。

■大枠の形を決める

カード3枚とレシートという「収納するもの」は決まっておりましたので、それをどんな形にするか?をデザイン担当と何度も詰めることになりました。今回、日本製でも「買いやすい価格帯にする」ということも一つテーマとして掲げておりましたので、

・できるだけ無駄なコストがかからないように、構造や仕様はシンプルに。
・とはいえデザインは高級感がでるようにしたい。
・使いやすさは絶対に大事

という3点をベースに話を進めました。入れやすさを重視し、革のマネークリップで時々見かける中央が切れてて、両サイドにぺりっとめくれるような形は?

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そんな話もありましたが、それだと収納時に2回めくる必要があるし、中央部分にレシートが見えてしまうので作業が増える&不細工は良くないなとなり却下。色々な案を検討した結果、二つ折り財布と同じような構造が実は一番使いやすいのでは?という結論に至りました。最初からこれでいいや!ではなく、グルっと回って実はシンプルが一番かも。となったわけです。

■サンプル、そして革選び。

形は決まり、シンプルなら作るのも簡単かもと思っておりましたが、工場さんと話をすると色々と課題も見えてきました。いくつかの工場さんと最適な形を模索しましたが、ひとえに革工場さんといっても得手不得手があります。二つ折り財布を作る場合は、

・開きやすい
・閉じた時の形が整っている
・(今回なら)レシートポケットが窮屈にならない

が大事になってきますが、サンプルを作ってみたら窮屈でレシートを入れずらいということもあり、いくつかサンプルを作った中で、ここが得意な工場さんと進めることに致しました。適度にハリがあり、レシートは15枚~20枚は入り、窮屈で無い形。ここを大事にしました。

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↑はレシートをいれていない状態。赤丸部分の外側と内側の長さの違い上下のバランスなどで、ここの見た目や収容力が変わってきます。極力薄くはしたいけど、それで収容力や入れやすさが損なわれては本末転倒なので、工場さんに絶妙のバランスに仕上げて頂きました。↓はレシートを入れた状態です。

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写真にすると少し厚みがあるようにも感じますが、実物はもう少しシュッとして見えるかと思います。なお、使い始めはレシートを抜いた後に少し前方後円墳みたいな形になることがありますが、数日~数週間で上記のような形に整ってきます。

■メイン素材選び

財布にとって見栄えの1丁目1番地は素材の革。ここはいつも頭を悩ます課題です。その質感1つでイメージが大きく変わってくるので、目的にあった素材選びが欠かせません。

工場さんに相談すると、男性ものの革製品となると経年変化する「The 革!」のような素材をお勧めされることが多いです。TAVARATの製品にも多いですし、今回の1stサンプルもそういう素材だったのですが、実際にできたものをみると少しイメージと違って違和感がありました。

キャッシュレスが当たり前の、スマートでシュッとした印象の男性。なのでThe 男性の財布!よいうより、少し上品さが伝わる素材にしたいな・・・となりまして、ちょうどいま進めている別の企画で使いたいなと思っていた素材、橋本産業さんのFuwariがこのRececa(レシカ)にぴったりかもと試作を作ってみたところ、見事にイメージ通りとなったわけです。

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Fuwariはヌバックのようななめらかな手触りで触ってて物凄く心地良いです。なおかつ見た目は上品。

それと、素材自体が柔らかいのと、クロム鞣しの革なので薄くすることができ、製品の薄さやポケットの開きやすさなど、Receca(レシカ)のメリットをしっかり引き出してくれることになりました。

■サイズ感や厚み

サイズは極力小さくすることを目標に作りました。仕様が決まった段階で大きくなる要素も無かったのですが、名刺入れくらいにしたいと思い作ってみて、ちょうど前回のMakuakeで作ったTps-048名刺入れとほぼ同じサイズでしたので並べてみました。

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この名刺入れ、4方サイズは通常の名刺入れよりも一回り小さいです。このサイズ感に収まったのは、持ち運びやすさを考えると非常に良かったです。

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厚みもほとんど同じ。ポケットのサイズ感や素材にもよりますが、私の感覚でほぼほぼ前ポケットに入れて持ち歩いても気にならないサイズ感、厚みに仕上がりました。

■カラーバリエーション

Fuwariの色数が15個もあったので選択肢に悩みましたが、その中から4つを選ぶことに。王道のブラック、人気のネイビーは外さないように、+サンプルを作ってみて格好良かったグレー。それと、タバラットはメンズ雑貨ブランドなのでメインターゲットに女性は考えていなかったけど、女性スタッフも使ってみたいという声が多くて、どんな色がいいか聞いてみたら「グリーン!」ということで、鮮やかなグリーンを選びました。

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Makuakeでは女性の方も一定数購入してくださっていて、グリーンが人気なので作って良かったと感じた次第です。

ちなみに今回、ブラックとグリーンを組み合わせたMakuakeプロジェクのみでの販売の限定カラーも作ってみました。決して某アニメをイメージしたわけではないのですが・・・。プロジェクト開始とともに限定カラーはすぐに売り切れて、もっと作っておいたら良かったかな・・・とも思いましたが、だからこそ限定の良さがあるとも感じました。当然ですが追加生産はしませんので、ご購入下さった方には特別感を感じて頂けたら幸いでございます。

■裏地選び

コストを抑えたいということもあり、最初は裏地を貼らないという選択肢もありました。「The 革!」なら裏地のままでも可能だったのですが、裏地が革の裏のままだと摩擦が強く、これがレシートの出し入れに影響しそうでした。

そこで、同じ工場さんで過去に何度も裏地素材として使っていて、お札などがスムーズに出し入れできると評判が良かった綿100のオックス生地を採用しました。

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■最重要課題、レシートポケットの長さ、高さ

さて、長々と書いてまいりました。シンプルな製品ですが、製品開発はシンプル=簡単ではなく、詰めないといけない部分は沢山あり、ここに書ききれないほど他にもたくさん詰めながら進めてきたのですが、今回の一番の課題はレシートポケットの高さの最適解の追求でした。

Receca(レシカ)の肝は、あえてお札はいれず、レシートの高さにすることで名刺入れ以下のサイズにしたことなのですが、ではレシートを入れる最適なサイズとは?は難しいテーマでした。

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レシートといってもサイズは一つでは無いですし、長さは買ったものの数で変わります。まずレシート自体のサイズは、コンビニ等で出てくる一般的なサイズに絞ることにしました。UNIQLOさんなどの大きなレシートを対象にしてしまうと普通のサイズになってしまって本末転倒なのと、生活してみて95%以上は普通サイズのレシートなので、ここはそれを基準に考えることにしました。

長さは店によっても買った量によっても変わりますので、長ければ折るということは気にせず、名刺入れより小さくなって、カードが両サイドに収まるサイズを意識しました。

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そして最後の難関、高さ。いくつかサンプルを作ったあと、最終サンプルとして極力大きくならないように、レシートのサイズがギリギリ入るように設計してみたのが↓の写真の奥側。

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ご覧のように、レシートを入れと本当に摺り切りギリギリ・・から2,3㎜くらい中に入った感じです。使ってみて、非常に使い勝手も良かったのですが、時々レシートの高さを調整しないと端が出てきたりということがありました。少し面倒なのと、革製品は手作りなので、あまりギリギリを基準にしてしまうと微妙な誤差で使えない商品がでてくるかもしれません。でも極力無駄を省いた形に挑戦したい。最終サンプルとして仕上がってきてからしばらく悩みに悩んだ結果、それより1㎜深くした仕様で再度最終形を仕上げることにしました。(↑写真、手前側)

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たった1㎜ですが、少し大きくなったような印象でした。ただ、依然名刺入れよりも小さく薄く、大きさは問題無い。そして何より、レシートを入れる際の不安点が解消されていました。悩んで変えて良かったと感じました。

 ■最後に

こうした課題点をクリアしながら、Receca(レシカ)は誕生しました。

製品開発はいつも色々なことに頭を悩ましながら形にしてゆきます。その課題に対し、何がベターかを試行錯誤しながら形にしていくのですが、当然ですが全てが受け入れられるわけではありません。実際に市場にでて、その商品が本当に必要とされているのか?というのは常に不安な部分でもあります。

今回自社の公式サイトでなく、Makuakeにて先行販売をさせて頂いたのは、Makuakeならこうして作り上げた商品の細部を見て検討くださるかたが多いかもしれない。本当に必要と思ってくださる方に届くかもしれない。そう感じたからでした。

スタートするまで不安でもありましたが、無事目標を達成し、なおかつたくさんの応援コメントを拝見し、「Receca(レシカ)を作って本当に良かった。」そう胸をなでおろしました。

もちろんまだお客様の手元には届いておりませんし、実際に使って頂いてからが大切なので、プロジェクトを無事進め、終了後、実際に使って頂いての感想も楽しみにお待ちしたいなと思います。

現時点でプロジェクトはまだまだ進行中でございますので、まだページをご覧頂いていない皆様は、ぜひぜひ気軽に覗いてみてくださいませ。

www.makuake.com

 

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TAVARAT Store Manager ヤマモト

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