Makuakeプロジェクトの名刺入れ、商品の仕様について(革ver.)

Makuake×TAVARAT プロジェクトストーリーPart3

3日連続の記事になりますが、クラウドファンディング、Makuakeにてプロジェクトを8月28日スタートさせることになった名刺入れのプロジェクトストーリーPart3。本日は製品特徴のなかの、革について書いてゆきます。

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今回の製品は金属(真鍮)と本革の組み合わせが特徴。前回の記事では金属をピックアップさせて頂きましたが今日は革の部分について語らせて頂きます!

製品に使用しているものは本革を使用しています。最近は合皮のものも本革と書いて販売する業者さんもいますし、それがためか本革をリアルレザーなどと表記する場合もありますがおかしな話で本革はあくまで本革なのです。

今回製品に使用しているのは姫路産のピットなめしフルベジタブルタンニンレザー。植物性のタンニンを、ピットと呼ばれるプール槽で浸透させて鞣したものとなります(鞣しとは、動物の原皮を製品としての革に仕上げる工程を指します)。 

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 本革というと、栃木レザーが有名ですが革の産地としては姫路が現在流通しているその多くを生産している一大産地ともいえます。その姫路地域の中でも色々なタンナー(皮革製造業者)がありますが、このピット槽を保有しているタンナーさんはごくわずか。日本全国でも10社もないと言われているそうです。

通常の皮革製造では、クロムという薬品か、植物タンニンかをドラムと呼ばれる機械でそれこそドラム洗濯機のようにぐるぐると回して成分を強制的に浸透させていくのですが、このピット槽では濃度の違うタンニンを少しずつ浸透させていきます。ドラムでの鞣しが約1日で終わるのに対し、ピットでは約1ヶ月から40日といった日数を要します。

非常に時間がかかるのですが、その手間のぶん、繊維が引き締まった堅牢な革が出来上がってきます。今回の製品にはこのピット槽で作り上げた希少な革を使用しています。

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もう1つの特徴は染色です。革の染色には大きく分けて顔料仕上げと染料仕上げがありますが、この革は染料仕上げです。顔料は表面に塗料を乗せて表面を覆うことでその表情を隠してしまうのですが、染料仕上げにあっては繊維自体を染めていくので本革の表情を損なうことがありません。染料仕上げのなかでも特に時間をかけて芯まで染め上げてますので側面や裏面も色が着いているのが特徴です。また、繊維質や部位によって染料の浸透具合が違ってくるので顔料のような均一な色にはならず、写真のようにムラのある仕上がりになります。特にキャメル、レッド、ネイビーなどはそれが顕著で、製品個々に違いがあって面白いです。

ベジタブルタンニンレザー×染料仕上げの特徴

さて、このベジタブルタンニンレザーと染料仕上げの組み合わせは2つの大きな特徴を持ちます。

1)日焼けをする

2)脂分を吸収する

この2つの特徴はベジタブルタンニンレザーの特徴です。植物タンニンの日焼けをする作用と、脂分を吸収する作用によって、この革は使うほどに色艶を変化させてゆきます。太陽や紫外線に当てることで色を変化させ、手の脂分を吸収したり、革に浸透させてある脂分が染み出てくることで使えば使うほどに色艶を増してゆくのです。

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こちらの写真は名刺入れと同じ革を使って作ったTAVARATの紳士ベルト(型番Tps-001)。上の写真が未使用時で、下の写真は約2年使いこんだものです。色が濃くなり、艶が増しているのがわかりますでしょうか?ベルトはとくに日に当たりやすく、手で毎日触るために脂分を吸収しやすいのでより顕著でもあります。

本革製品の商品説明で、よく「成長する革」や「経年変化」という言葉が出てきますが、本当の意味でこういった変化を実感できるのはベジタブルタンニンで鞣し、染料で染めた革になります。顔料仕上げの革や、クロム鞣しの革では柔らかくなる、艶を増すという変化はありますが色艶の変化にはなかなか至らないと思います。

(もっと本当の意味で成長する革というのは、植物タンニンで鞣し、染色をしていないいわゆる素上げのヌメ革と呼ばれるもの。生成り色から日焼けや脂分吸収で飴色に変化する面白い革ですが、本当の革好きでないと扱いが難しくもあります。)

 

 

5色+1

この姫路産の本革を使った名刺入れを、5色準備いたしました。

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↑キャメル。真鍮金具との色の相性は一番です。色艶の変化はレッドと並んで一番楽しむことができます。初期段階で部位による色の差が大きく、写真の色より淡い色の場合もありますが、日の当たる場所で数日置いていただけると濃くなっていきます。

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↑ダークブラウン。ブラックと並んで本革の定番色です。真鍮金具との組み合わせが高級感を持って見えるのがこのダークブラウンだと思います。色の大きな変化は無いですが、しかし艶を増し、濃さが増し、少し傷が入ったりすると牛革らしいワイルドな雰囲気がでてきます。

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↑ネイビー。染色前の素材が生成り色のため、ネイビーという名称ながら青と黄色が混じったような色合いになります。ただ、艶と濃さを増すにつれて青色が強くなりネイビーという名前に相応しい色へと変化していきます。

f:id:tavarat_blog:20170823172903j:plain↑レッド。キャメル同様に色艶の変化を存分に楽しめるカラーです。こちらも淡い色味のものもありますが、日焼けさしたり使い込んでいくとしっかりとした赤になっていきます。TAVARATはメンズブランドなのですが、正直この名刺入れは女性に使って欲しいカラーでもあります。赤と真鍮色は素直に「カッコイイ」です。

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↑ブラック。定番中の定番カラーです。ダークブラウンと真鍮の組み合わせが高級感を増すイメージなら、ブラックと真鍮の組合わせはどちらかというとアンティークな雰囲気が漂っているかもしれません。

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↑そして今回Makuakeへの参加が決まったことで作ることに決めた黒革×黒金具。真鍮に黒ニッケルメッキをかけたもので作りました。黒革と黒金具の組み合わせは、アンティークな雰囲気から一転、ラグジュアリーなイメージに変化。男臭さが漂う仕上がりになっています。Makuake後の製造は現在未定です。金具にメッキをかける都合上、製造が多少難しい部分があるためです。

今回のMakuakeにはこの5色+1で参加。カラーごとに特色が異なりますのでぜひお仕事やスタイルに合わせてお選び頂きたいと思います。

 

さて、各カラーの写真をご覧頂いてお気づきの点もあると思うのですが、最初に書いたとおりナチュラルな仕上げの革なので素材は全く同じでも部位によって表情が異なります。質感、色むら、シボのありなし、シワのありなし、それらの大小などなど・・・。これらはナチュラルに仕上げた本革の特性でもあって、他に1つとない個性でもあります。↓はページに記載するための特徴一覧です。

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 合皮のものや顔料のものと違って、ナチュラル仕上げの革は製品としての品質は非常に高いものが多いのですが、インターネットでの販売に際しては難しい部分もあります。商品の部位、ロットによって個性も色味も違うので、商品ページのイメージとどうしても相違が出てしまう部分があるのは販売側としても悩ましい部分です。ただ、この素材の本革は初期の表情だけでなく使い込むことによって自分の色に染まっていく部分が面白さでもあり、またそれは初期の表情と相まって他に1つとない革に変わっていくという楽しみを一番に実感できるものでもあります。ナチュラルレザーでしか体感できない本革製品の魅力をぜひ実感して欲しいという想いのなかで、難しさもありながらこの革での製品作りを大事にしています。ぜひともその良さを、この名刺入れで体感していただきたいと思います。

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余談ですが、革は2~3×1mくらいの大きさがあります。写真のものは端のギザギザ部分をそぎ落としたクロップと呼ばれるものなので少しコンパクトです。その中から写真のように、製品の型を取っていきます。わりときっちり取れてますが傷が多い革の場合はもっと無駄の多い取り方になる場合が多いです。個性な部分は除きはしないですが、それでも表に見える部分はできるだけ綺麗に仕上がっている部分を選んだり、極端な傷は避けたり、しかし貴重な資源ですのでできるだけ無駄は無くしたいし。製品作りの前の、革を取る部分から職人の試行錯誤は始まります。

革についての細かなところはもっともっと書いていきたいのですが長くなりすぎてしまうので今日はここまでに致します。姫路産の本革の魅力と真鍮との組み合わせた製品としての雰囲気、伝わりましたでしょうか?

次回は製品の使い勝手などについて書いてまいります!

 

TAVARAT Store Manager 山本 

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※工程は多くを省いた形でご説明しています。実際にはこれ以外の細かな作業がたくさんございます。

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Makuake×TAVARAT プロジェクトストーリーPart1はこちら↓

tavarat.hatenablog.jp

Makuake×TAVARAT プロジェクトストーリーPart2はこちら↓

tavarat.hatenablog.jp

Makuake×TAVARAT プロジェクトストーリーPart4はこちら↓

tavarat.hatenablog.jp

Makuake×TAVARAT プロジェクトストーリーPart5はこちら↓

tavarat.hatenablog.jp\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\

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