ホーニングという言葉、お聞きになったことはありますでしょうか?工業系のお仕事をされているか、もしくはジュエリーなどがお好きな方なら聞いたことがあるかもしれません。google検索をかけてみると・・・
www.weblio.jpと、もの凄く難しい言葉が出てまいりました。ようは砥石で磨き上げる加工で、その粒子の大きさによって金属に様々な表情を作り出すことができます。
工業用機械の内径の研磨に使われたりするそうですが、一般的には指輪などのジュエリー類で使われることがあるのでそちらで少し聞いたことがあるかもしれませんね。
金属の表面を細かな粒子で研磨することで、下のように金属の輝きを押さえた落ち着いた仕上がりとなります。
※ホーニングといっても色々な方法がございまして、本製品には細かな砂を吹き付けて粒状の柄をつくるサンドブラストという方法で製造しています。
今日の記事でご紹介をするのはこのホーニング加工を施したマネークリップ、Tps-021となります。形はTps-006と同じで、加工の違いの商品でございます。Tps-006はサテーナ加工(真鍮バレルはバレル研磨)にて艶消しを行っていましたが、ホーニングはそれよりもさらにマットな雰囲気を作り出してくれます。ジュエリーのような高級感を感じさせつつ、どこか機械的な雰囲気も兼ね備えています。
Tps-006のマネークリップと、メッキの種類も同じです。仕上げの違いでここまで雰囲気が違ってくるというのは驚きですが、サテーナ加工、ホーニング加工それぞに格好良く、ともに金属の良さを引き出してくれる加工といえます。
↓の写真、左がホーニング加工、右がサテーナ加工(一番右下はバレル研磨)。映りこみがないホーニングと、サテーナは艶消し加工ながら適度な光沢があります。
メッキは1番上のシルバー色が代用ロジウムメッキ、2番目のゴールド色が金ニッケルメッキ、3番目の黒色が黒ニッケルメッキ、そして4番目はメッキなしです。
左右に並べるとよくわかりますが、同じメッキをかけてもその後の加工でまったく表情が違ってくるのです。どちらが良いかは好みによるところかと思います。ゴールド、ブラックは特に色の感じが違ってきますね。
一番下は素材の真鍮に左がホーニング加工、右がバレル加工による研磨を施しています。バレル研磨は小粒の石によって表面を磨いていくのですが、ホーニングほど細かくはないのでどちらかというとアンティークな雰囲気になります。ホーニングはかなり高級感のある質感になっているかと思います。
さて、このホーニング加工を施すにあたっては色々と課題がございました。ホーニング加工をかける際に砥石がどうしても真鍮を変形させてしまったり、予定していたイメージのホーニング加工では表面がザラついてしまって、お札を挟む際に摩擦がきつくなってしまったりといったことがございました。その他にも色々と・・・・・
工場の方に何度かサンプル修正をお願いし、ホーニング加工の程度を変化させたり、表面行う仕上げのクリア塗装の質を替えたり試行錯誤を繰り返し、仕上がったのがこのマネークリップです。製造を断念しかけたこともありましたが、加工を依頼しているのは金属加工のプロ。一つ一つ課題に対処しながら理想の仕上がりに作り上げていただきました。ほんとに感謝です。
こうして仕上がったこのマネークリップ。製品が仕上がってきてもう1つ課題が。
当店はネットショップでございます。可能な限り、実際の製品とカタログのイメージを近づける努力をしておりますが、このホーニングの質感が非常に難しいのです。細かな粒状の雰囲気を伝えたいのですが、カメラがこれをなかなか捉えきれません。それでもスタッフが何度も撮りなおして、加工を施して少しでも実物に近づけはおります。
もしかしたら写真と実際のイメージに違いがあるかもしれません。ただ、このホーニング加工の仕上がりは万が一イメージと違ったとしても、それは良い意味で違ったと思って頂けるくらい、良い仕上がりになっています。ぜひ手にとってその質感を実感して頂けたらと思います。もちろん、思ったものと違ったという場合はそれぞれのモールのシステムに則って対応させて頂きます。
それと、良ければ以前に書かせて頂いたマネークリップ製造現場の記事もご覧下さいね。大阪の金属加工工場で一つ一つ機械と手作業にて作り上げています。
本日は新しいマネークリップのご紹介でございました。ホーニング加工という言葉、ぜひ覚えておいて下さいね!間もなくもう1アイテム出てまいります☆