本クロコダイル革の紳士用ベルト 【TAVARAT Tps-019】

新シリーズのベルト紹介、今回は今までと違ったベルトのご紹介となります。今までご紹介してきましたのは牛革のベルトでございました。

・Tps-001、018はサドルレザー

・Tps-015はカーフレザー

・Tps-016はブライドルレザー

・Tps-017はキップレザーのクロコ型押し

これらのレザーの呼称は、牛革の中における革の違いを指すもので、それも革の育った年月や製造の仕方などに分かれておりました。今回ご紹介するのはこれらとは根本的に異なった皮革、本クロコダイルの革を使用したベルトでございます。

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クロコダイルとは

爬虫(はちゅう)綱ワニ目クロコダイル科に属するワニのことをさします。要するにワニの1種でございます。凶暴でゴツゴツしたイメージがあるかと思いますが、そのワニから作られる革は独特の斑模様の高級皮革として取り扱われています。

ワニ革の中にも色々と種類がございます。本製品に使用しているクロコダイルと、皮革としてクロコダイルよりも安価で取引されるアリゲーターや、そのアリゲーターの一種でもあるカイマンワニがございます。アリゲーターやカイマンワニを「クロコダイル」として販売している業者様もいらっしゃいますが、別物とでございますのでご注意下さい。

クロコダイルの中にも種類があり、スモールクロコ、ラージクロコ、ナイルクロコ、シャムニワニといった種類がございますが、本製品ではラージクロコダイルを使用しています。

野生のクロコダイルは絶滅の恐れがあるため現在ワシントン条約にて保護されており、現在流通しているクロコダイルのほとんどが養殖にて育てられたものが使用されています。養殖と言っても決して簡単に育つものではなく、革として使用できるようになるまでおよそ3年、卵を産めるような親のワニになるまでにはおよそ10年もの歳月を要するそうです。生育に非常に時間がかかり、革としての供給が需要に間に合わなくなってきているため、その価値は非常に高いものとなっております。

独特の斑模様

さて、そんなクロコダイルの皮革の特徴はその斑模様にあります。クロコダイルの革には主に丸斑、竹斑、そして穿孔と呼ばれる特徴がございます。

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丸斑(まるふ)、竹斑(たけふ)はそれぞれそのなの通り丸い形や竹のような形をした斑で、穿孔は斑の中に1つずつあるクロコダイルの感覚器官だと言われています。ゴツゴツとしたウロコのなか、この感覚器から温度や触感を察知しているのだとか。

クロコダイルとアリゲーターの違いを見分ける部分の1つがこの穿孔の有無です。クロコダイルには斑に1つずつこの穿孔がありますが、アリゲーターの腹にはこの穿孔がありません。ただ、クロコダイルの穿孔は加工に際して見えにくくなることもあり、アリゲーターのアゴ革には穿孔があります。一概に穿孔の有り無しだけで判断はできないかもしれません。

班に関してはクロコダイル特有の柄であり、この柄は当然1体1体異なります。ベルトを作る際に取る場所によっても斑模様が異なり、全体的に竹斑が多いですが、中には丸斑が多く存在したり、逆にほとんど無かったりと1本1本にデザインが全く異なってきます。この、他に2つとない柄というのはもちろん牛革におけるシワやトラ、生前の傷といったものと同じような意味合いにはなるのですが、「模様」としてはっきりと見えるクロコダイルの柄の個性というのは牛革よりもはっきりと個別に違っており、まさに世界で1つの柄とも言えるのではないかと思います。

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このように竹斑であっても大きなものや小さなもの、角度も形も異なります。自分だけの柄というのは使う上で非常に愛着の持てるものとなるのではないでしょうか。

 

牛革にクロコダイルの模様をイメージした型押しを施したものもあります。当店のベルト、Tps-018がそれで、これはこれで非常に魅力的ですし、本クロコに比べて求めやすい価格となるのですが、この独自性は型押しでは出せない本クロコダイルの魅力でございます。

フランス仕立て

さて、上の写真を見ていただいて一般的なベルトとの違いにお気づきになられた方はいらっしゃいますでしょうか?ベルトにあるべきものがございません。

 

そう、ステッチ(縫い目)でございます。本製品はフランス仕立てと呼ばれる製法にて作り上げています。

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上の画像にも書いておりますが、フランス仕立てとはミシンを使用せず、裏材(本製品は表にクロコダイル、裏材に牛本革を使用しています。)で芯材を巻き込み、その上に薄く加工したクロコダイルの革を貼り付けて作り上げています。ミシンを使用しないため当然ですがステッはなく、肌触りがよく見た目にもスタイルの良く高級感のあるい仕様となります。その作業は熟練の技術・経験を要する高度な加工となりますが、本製品は長年にわたりクロコダイル革やリザート革を加工してきた東京の職人により一つ一つ手作業で作り上げられています。

///表地のクロコ革と裏地の牛本革の境目↓///

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マット仕上げ

もう1つ本製品の特徴ですが、本製品はマット仕上げにて作られたクロコ革を使用しています。クロコダイルの革は一般的にシャイニング加工かマット加工に分かれます。よく見かけるのはシャイニング加工の非常に光沢のあるものではないかと思いますが、私個人の好みもあって落ち着いた高級感のあるマット加工の仕上げのもので作り上げています。

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 マット仕上げと言っても光が当たれば適度な光沢があります。これくらいの光沢であればスーツにもカジュアルにも幅広く、そして格好良く映るのではないかと。できれば少し年配の方にお使いいただきたいものでもありますので、こちらのほうがダンディな着こなしができると思います。

 

少し長い文章になってしまいましたが今日はクロコダイルのベルトについて書かせて頂きました。ここで終わり・・・としたかったのですがもうひとつ、本クロコダイルのベルトは一つ一つ模様が大きく違うと書かせて頂きました。それは個性として非常に魅力的なのですが、ネットを通して販売する側としては非常に難しさがございます。

牛革でもそれぞれに個体差があり、デメリット表示としてメイン画像の商品とシワの雰囲気やトラやシワといった特徴は商品一つ一つ違う点を記載させて頂いて、それをご了承の上でご購入頂いておりますが、クロコダイルに関してはその違いがデザインとして異なってくるため、「メイン画像の商品とデザインが異なる可能性がございます」ということだけでいいのだろうか・・・ということを販売しに際し、非常に悩んでおりました。そこでスタッフと話をした結果、このベルトについては商品一つ一つの画像を記載し、お客様にデザインを選んで頂いたうえで購入を頂こうということになりました。

store.shopping.yahoo.co.jp↑はヤフー店のカタログのリンクでございまして、覗いていただければわかりますがタイプA、B、Cと各カラー3種類を写真で提示させて頂き、選んで頂けるようにしています。この作業は商品管理するうえでも、画像やカタログを作るうえでも非常に時間がかかり今後どこまで継続していけるかはわかりませんが、可能な限りお客様にわかりやすい製品カタログをという点はコンセプトとして進めていきたく当面は継続していきたいと思います。

 

というところで本日の記事はクロコダイルのベルト、Tps-019のご紹介でございました。価格としては高いベルトとなりますが、それに見合った価値のあるベルトに仕上がっております。ぜひ商品ページもご覧下さいね。

 

TAVARAT Store Manager 山本

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