マネークリップ(Tps-006)の製造現場へ潜入

先日とある工場へ行ってまいりました。訪れたのは当店の人気商品 真鍮製のマネークリップTps-006の製造工場です。

 

 工場の担当の方とは何度も打合せをしておりますし、工程の写真を見せて頂いたことはあるのですが、実際の現場を拝見するのは始めてでして、普段見ることのない現場の風景を見られるとあって、訪れる前からワクワクしておりました。

マネークリップというのは上の写真のように、非常にシンプルな形です。一見簡単にできそうにも見えますが、実は幾つもの工程を経て最終的に仕上がってできあがったのがこの形です。

元はというと、下のような板状です。真鍮の板を、指定の厚みと幅に揃えます。

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真鍮の板を見るというのは初めての体験です。非常に光沢があり、綺麗なものでございました。↑の写真は切断した後のもので、もっと大きなパネルみたいなサイズのものもございました。大きすぎて担当者様の姿が映り込んでしまい、お見せできなくなってしまったのが悔やまれます・・・

 

なお、真鍮って良く聞くけどそもそもなんなんですか?という方も少なくないかもしれません。真鍮というのは銅と亜鉛の合金で、黄銅とも呼ばれます。亜鉛と真鍮の配合量で、金属の性質や色味が異なります。

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この板状の真鍮から、マネークリップのベースの形にくり抜いていきます。

左から流れてきた板上の真鍮を機械でガチャン!ガチャン!

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ひとつずつ丁寧に調節しながら行われておりました。

くり抜いたあとの板は↓のようになり、

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くり抜かれた部分が↓の状態です。これがマネークリップのベースになります。

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この金具にTAVARAT&Made in japan の刻印を入れます。この工程は見学できませんでした。刻印を入れた次は↓。何やら枠にはめ込んでおります。

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この時点で↓のように別行程で入れられた綺麗な刻印が入れられておりました。

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そして再びガチャン!ガチャン!

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機械が上がった後、あれ、どこが変わったんだろう?と思っていたら赤丸のところが折れ曲っていました。これはマネークリップの上段の先の形を作る工程でございました。

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続いてまた同じような機械に入っておりますが少し型が違います。工場の職人さんが念入りに機械の調整をしておりますが、今度はいったいどんな工程になるのかな・・と思った瞬間・・・・

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何やら中央に力が加えられ・・・

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見事に折り返されておりました。

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これで完成形に近い形になってきました。ここから最後は隙間の幅を調節する工程を経て、マネークリップの形が出来上がります(写真は↑まででございます。)

 

機械の写真ばかりでございましたが、自動的に行われるのではなく一つ一つ職人さんの手作業で行われています。一つの行程において、ひとつひとつ型にはめ込んでプレスを行うという作業。想像していたいじょうに地道で細かく、そして大変な作業でございます。

もちろんこれで終わりではなく、ここから磨きをかけ、バリエーションによってはメッキをしたりバレル研磨をしたりし、サテーナ仕上げをしたあと(バレル以外)クリア塗装(シルバーサテーナ以外)をして完成します。今日の記事の肯定はまだ3分の1くらいにすぎないのです。マネークリップというシンプルな形を仕上げるだけでもこれだけの工程が必要にるということ、驚かれたかたもいらっしゃるかもしれませんね。

 

海外で大量に作られる安価なものではもう少し簡略な作り方で大量生産をして出来上がっていたりもしますが、日本の金属加工技術によって一つ一つ丁寧に作り上げたこのマネークリップには職人の魂と技術と想いが詰まっております。今回工場見学をさせて頂いて、それをあらためて実感致しました。そして、職人さんへの感謝を感じた一日でもありました。

 

このマネークリップ、Tps-006は非常に好評を頂いております。

沢山の方に使って頂けているのはこうした丁寧な作りに評価を頂いてのことかもしれません。嬉しい限りでございます。

 

これからもっともっと多くの方に、工場の職人の方々に丹念に作り上げて下さったこのマネークリップを使って頂きたいものです。

 

 ※これだけの行程を経て造られるマネークリップ。当然工程上でどうしても傷や打跡などがついてまいります。当店のマネークリップは真鍮無垢ではなく、バレル研磨(石のような研磨剤で表面を磨いていきます)やメッキをかけるため、真鍮自体の傷や打跡といったものは目立ちにくくなりますが、隠すことができないものもありますし、それらの行程においても避けられない小さな傷がついてまいります。人の手を通して作られた手作りの品であることの証としてご理解を頂けましたら幸いです。

 

TAVARAT Store Manager 山本
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