泉大津のカシミヤ・起毛、そして尾州の綾織を組合わせたマフラー

繊維の宝石

ネットで買物をしていると〇〇の宝石という見出しをたまに見ます。当店で取り扱っているものでいうとコードバン。「革の宝石」とも呼ばれますが、これが「皮革の宝石」になるとクロコダイルだったり。同じような言い方でも微妙にニュアンスが違ったり、人によって指すものが異なったり、そもそも誰が言い出したのかも定かではないのですが世の中には高級素材の代名詞として〇〇の宝石という言葉がたくさんございます。

その中の1つに「繊維の宝石」がございます。何を指すかといえば言うまでも無くおわかりだとはおもうのですが、繊維の最高素材として有名な「カシミヤ」を指した言葉です。

カシミヤはカシミヤで十分に高級素材として認知されていますので無理に〇〇の宝石なんて言葉を使う必要はないのですが、日本人は宝石という言葉に弱いとかなんとかでございまして、あえてそう表現させて頂きます。

 

さて、この繊維の宝石と呼ばれるカシミヤ。宝石と言われる所以は希少性、それがゆえの高級な素材としての位置づけ。もちろん希少なだけで高級というわけではなく、その機能性もあっての「宝石」であります。

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そんなカシミヤを使った無地マフラーを今年の新商品として企画、販売スタートしました。ただ、高級素材だからとりあえずカシミヤを使って何でもいいからマフラーを作れば良いというスタンスではなく、カシミヤの特性がより活きるような、そして何か自身にとってもこの企画を楽しむ「理由」があるものを。そんなイメージで昨年末から素材を選び工場さんと話を進めてきました。

さて、そもそもカシミヤの特性とはなんなのでしょうか?

カシミヤの特性

カシミヤは「カシミヤ山羊」という山羊から取れる産毛です。産地はアジア大陸の山岳地帯。冬場は氷点下30度まで気温が下がり、その寒さから身を守るために生えるウブ毛、これがカシミヤの繊維となります。紳士用のセーターを1枚作るのに3匹のカシミヤ山羊が必要とされるほどに1頭から採取できる数量に限りがあり、流通量に限りがあります。

素材の特徴は

・肌触りの良さ
・保温性
・艶、光沢

この3つにあります。

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カシミヤの肌触りが良いというのには理由があります。理由の1つは繊維の細さ。カシミヤ繊維の平均直径は14~16µ。ウールの中で一番細く高級とされるキャッシュウールやエクストラファインメリノでも19.5µとなりますのでそれよりもさらに細く、また天然カシミヤの表面を覆う油脂が繊維を覆い独特の滑らかな肌触りを感じることができるのです。

保温性、光沢についてもこの他諸々のカシミヤ素材の特性からくる独特なものであり、単に希少というだけで高級なのではなく、繊維の質としても非常に優れています。

ただ、カシミヤの質もピンからキリまであります。カシミヤマフラーの価格も非常に安価なものが出ており、今回の企画に際してどういった素材で取り組むのか?ということは1つの課題でもありました。

毛布の町、泉大津市忠岡町で紡糸されたカシミヤ

数年前にカシミヤの偽装品が大量に出回ったというニュースもあり、現実的にも実際に採取される量の4倍ものカシミヤが流通しているというお話もあり、製品に使われている繊維が本当にカシミヤなのか?と疑問におもわれる方もいらっしゃり、使う方に安心していただける素材を・・・ということで行き着く場所はやはりここになります。私の育った故郷でもある大阪府泉大津市とその隣にある忠岡町泉州地域の北側に位置するこの地域は毛布の街として国産毛布の90%以上を人口7万人のこの小さな町で作っています。毛布産業で栄えたこの地域には、素材を作るメーカーもたくさん存在し、今回のカシミヤもこの地域のメーカーで紡糸されたものを使用することにしました。

経(タテ)糸・・・泉大津の大津毛織株式会社製のカシミヤ
緯(ヨコ)糸・・・忠岡町東洋紡糸工業株式会社製のカシミヤ

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織物の町、尾州一宮市で仕上げた綾織マフラー

これらのカシミヤを使い、製品として織り上げたのは愛知県一宮市の工場。この地域は尾州と呼ばれ、昔から織物が盛んに行われている地域でもあります。泉大津が毛布の町ならこの地域はマフラーの町ともいえるかもしれません。

この尾州で、カシミヤの素材感をよりよく感じられる織り方として選択したのが綾織。平織りは経糸と緯糸とが1本おきに通っている基本的な織り方。丈夫さでいえばこの平織りが一番です。一方あや織りは経糸と緯糸が、2本越えてから1本通してまた2本越えて、もしくは3本越えて1本通して・・というような形で織っていきます。(言葉にするとものすごく曖昧な表現になりますので興味があるかたはぜひ「綾織」で検索下さい)

綾織は平織りに比べ、摩擦に対してやや弱いというデメリットがあるものの、柔らかさ、伸縮性が増して光沢感が強くなるという特性があり、この特性を活かすことでカシミヤの特性をより強調した仕上がりにすることができます。表面を起毛させているのでわかりにくいのですが、じっくりと見てみると単色ながら無地ではなく綾織独特の紋様が見えてきます。

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表面の仕上げ、泉大津での起毛

マフラーとしての最後の仕上げが起毛。起毛というのは棘のある基材を使って表面を引っかき毛羽立たせる加工のことで、手触りが柔らかくなる、保温性が増すといった特性があります。毛布などの表面をイメージしていただいたほうがわかりやすいかもしれませんが、見た目にも暖かそうで寒い日などは顔を埋めたくもなります。

マフラーに関しては全てが起毛されているわけではありません。特にラッセルマフラー(ストライプ柄のもの)などは元々厚みがあったり、ストライプ柄をしっかりと見せたりといったところもあるので起毛していないものが多いです。

さて、この起毛ですが素材によって針金を植えつけた針布を使うか、アザミという植物のものを使うかといった選択肢があります。アザミを使ったものは針布にくらべて細かく上品な仕上がりになります。

今回のカシミヤマフラーはこのアザミ起毛(本当はチーゼルという植物だそうですが・・・)で最後の仕上げを行います。起毛加工では素材が作られた泉大津市に再び戻ってきます。起毛を手がけるのは毛布の起毛を得意とする藤井若宮整絨株式会社。

製品の風合いもこの起毛の良し悪しで大きく違ってくるのですが、こちらで起毛仕上げをしたマフラーはまるで毛布のような気持ちのよい触り心地。カシミヤの素材・綾織、そしてアザミ起毛が組み合わさって、ずっと埋もれたくなるような心地良いマフラーに仕上がりました。

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地元に関われるということ

はじめのほうに『何か自身にとってもこの企画を楽しむ「理由」があるもの』というお話をさせて頂きました。カシミヤと国産の技術でもって最高に心地良いマフラーが仕上がったということとともに、このマフラーへの想い入れは「地元」ということにあります。

私が生まれ育ったのは大阪府泉大津市。小さいときより人口7万人のこの小さな市で育ってきました。家の斜め前は機織の工場で、町の色々なところで機織の音が聞こえ、繊維を扱う地域柄か火事がそこそこ多くて消防車の音もよく聞きました。川には染色の排水かカラフルな水が流れていたのもよく覚えています。

そんな小さいころの思い出は、小学校、中学校となるにつれて徐々に薄れていきました。その理由は産業が衰退し、毛布工場や機工場がどんどんなくなり、その姿も音も、そして川に流れるカラフルな水も(これは環境問題から規制が厳しくなったことが理由だとは思いますが)なくなるとともに記憶からこの町が毛布やニットの町というイメージは薄らいでいきました。

ところが地元を離れ(といっても車で数十分のところですが・・・)、繊維に関わる仕事をするようになってから話の中に泉大津の会社さんが出てくることが多々あり、そうか、あそこはそういう町なんだと思い出されました。

今回起毛をして頂いた藤井若宮整絨さんは実家から徒歩数分のところ。子供の頃から何百回、何千回とその前を通り過ぎておりましたがこういうお仕事をされている工場さんだとは全く知りませんでした。

先日は泉大津市の南出市長がご来店くださいましたが、その南出市長の同級生がされているALLYOURSさんのクラウドファンディングに登場する着る毛布の起毛もこの藤井若宮整絨さん。ちょうどこのブログを書いているいま頃、新しくリターンに加わったこの藤井若宮整絨さんの見学会が行われているはずですね。参加してみたかった・・・

離れてみてわかる地元の良さ。その良さを活かした製品作りに携われることが、この製品企画に対する楽しみでもあります。

 

まだ10月だというのに東京ではすでに10度を切る日がやってきたそうで、この1週間の冷え込みには驚かされております。おかげさまでこのマフラーふくめ冬物がいつもより早く動き始め、そしてこのブログを書いている今も間もなくスタートする別企画のマフラーを巻いております。おそらくまた暖かくなるので上着を冬仕様にするのは少し早いと思いますが、マフラーだけでも完全冬仕様にしておけば調整しやすくて便利です。

風邪を引かないよう、上手に調整くださいね。といいながら風邪を引いて咳をしながら記事を書いいる説得力のなさですが・・・・

 

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TAVARAT Store Manager 山本 

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