時間とともに曲がってゆくベルト・・・・

ベルトというのは作られたときは真っすぐなもの。百貨店などなど、お店では地面と垂直に綺麗に並べられていますから間違いなく真っすぐです。

 

そんなベルトですが、一年近く使い込むとこんな形になります。

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こちら当店の本革ドレスベルトTps-001(キャメルとブラック)ですが、左は未使用品で、右は私が一年ほど使い込んだものです。見事にベルトが曲がっています。

 

ベルトが曲がる・・・というと、何か不良品のようにも聞こえてしまうのですが、これはそういった話ではなく、体やズボンに合わせて馴染んできたという表現が正しいかもしれませんね。

 

買ったばかりのベルトというのは最初に書いたとおり真っすぐです。ですが、人の身体は円柱状ではなく、とくに腰回りはどちらかというと軽いすり鉢状の形をしています。ですからおそらく使い始めの頃は少し窮屈だったりフィットしにくかったりということがあるかなと思います。これが、使いこんでいくにつれて徐々に使う人の体の形に合わせて形を変えていった状態、それが上図の右側のベルトです。なんとも見事な「く」の字でございますね。

 

さて、ベルトはこうやって身体の形に合わせて馴染んでくると書かせて頂きましたが、どんなベルトでも綺麗にフィットしてくるというわけではございません。上の写真のベルトは綺麗に「く」の字になっていますが、革じたいに傷や亀裂ができることはなく(使用傷はありますが)、革が徐々にその形に馴染んできています。これはこのベルトが本革の中でも丈夫でしなやかなものを使っているからです。もちろん本革であれば多少の差はあれど馴染んでくるかとおもいます。

 

一方で、合皮(PVCやPUなど)のベルトではそうはいきません。ベルト自体は身体の形に合わせて変化しようとしますが、素材は革のように上手に馴染んでくることはありません。ですから徐々に亀裂が入ったり、破れてしまったりといったことがおきてしまいます。最近の合皮は質が高く、一見わからないようなものも沢山出てきています。そこまで屈曲性などを求めないアイテムであれば、合皮でも十分にクオィティが高いものができることもあるのですが、ベルトのようなアイテムになるとそうはいきません。本革製品でも顔料で染めたものは表面に亀裂が入りやすいものも多く、注意が必要です。

 

染料染めの本革ベルトでも、このベルトのような張り合わせベルトでは使用とともにコバが削れてきたり、一枚革だと毛羽が出てきたりといったことはありますが、市販のコバ処理在や革用塗料で補修していけば長年使用することができます。

 

安いベルトで壊れたら1年おきに買い換えるというのも悪くはありませんが、本革の良いベルトを長年使っていただきたいというのはベルトを販売しているものとしての願いではあります。

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Tps-001ドレスベルトは姫路で作られる革の中で特に手間をかけて作られる最高級のサドルレザー。この写真のブラックは先ほどの「く」の字に曲がったものです。使用傷以外の劣化らしい劣化はピンを通す穴のあたりが少し型崩れしているくらいで、色艶は未使用のものよりも上質な艶感になってさえいます。

 

一人でも多くの方に、このサドルレザーのベルトの使い心地や質感の良さ、そして耐久性を体感していただけると嬉しいです。

 さて、TAVARATではベルトはこの一種類しか取り扱ってきておりませんでした。昨年一年で沢山の方に購入いただき、「良かった」という声を頂いたことも、改善点をご指摘頂くこともございました。初期から同じデザインではありますが、ロットを重ねるごとにより良い製品としてパワーアップしてきましたが、「他のベルトも見てみたい」という声も頂いておりました。

 

スタートして一年はなかなか沢山の種類を準備することができなかったのですが、2年目の今年はそんな声にお応えするべく、4月中には数種類のベルトをラインナップに追加いたします。商品の発表にはもう少しお時間を頂きますが、楽しみにお待ちいただければ幸いです。

 

ということで今日は「ベルトは曲がる」ということを少し書かせて頂きました^^

 

TAVARAT Store Manager 山本

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